初心者向けな話①:色の組み合わせ
2021年10月12日 Magic: The Gathering最近、twitterで「#MTG初心者」的なタグが割と多く見つかる。
まあ、自分のタイムラインに流れてくるものが多いだけなのかもしれないけれど、ならば、そういう人向けに多少なりともやっている側の還元みたいなものって自分に何ができるだろう、ということで。
①は色の特徴とその組み合わせについて書いてみる。
というのも、ルールの大まかなことは昨今アリーナや初心者体験会で学ぶことが出来るので、別にここで語る必要はなく、少し踏み込んだところを見ていった方がいいんじゃなかろうか、ということだ。
白:軽いものが重視される
クリーチャーも軽めのところが攻め込みやすくデザインされている傾向が強い。1マナ2/1や2マナ3/1は代表的なところ。そんな軽い奴らを並べて並べて軍勢で押しつぶす、というのがよく環境にいる「白単」スタイル。
重いものがないかというとそうでもなく、公平性を保つ全体除去呪文や、白マナの体現者である天使は4~5マナくらいのところに設定されていることが多い。
これらは前者の軽いところで膠着した盤面をやり直したり、あるいは天使の翼で悠々と上から殴り切るような役割。
単体の除去に関してはそこそこ器用。エンチャントやインスタントで追放していくことが多いのも特徴だが、一時的追放になることもままあるため、そのあたりの注意が必要。
青:ザ・トリックスター
インスタントやソーサリーに偏りがちだが、とにかく器用。カードを引く、盤面から戻す、打ち消すなどなど。特に呪文段階で反応することが出来るのは青が一番長けている。これは戦場に出ないというアドバンテージがある。
他方、小型~中型のクリーチャーはお世辞にも強くないことが多い。ことが多い、と書いたのは、1マナ3/2飛行(になりうる)とか、ちょっとクリーチャーの色をバカにしたようなスペックのヤツが時折現れるため。
そんな小粒軍団でも、飛行していたりブロックされなかったりと、これまたトリッキーに殴り合うことが出来なくはない。
戦場に出た札を戻すことは出来ても、完全に除去するアクションはかなり苦手。
黒:山札も、手札も、墓地も、自分も、すべてが勝利のために
青に負けず劣らずの器用さだが、そのためのコストに山札を要求する、ライフを要求するなどが当たり前の色でもある。
呪文段階になる前の手札で札を対処できることも大きな特徴で、つまり戦場に出ない状態を作ることもできる。
そして墓地から帰ってくるという黒独特のやり取りも特徴的。山札を自分で削り、呪文で重いクリーチャーを一本釣り、なんてこともできる。
軽いクリーチャー群にも数が並んでザ・デッドになるゾンビなどがいる。
クリーチャー除去が大得意だが、アーティファクトやエンチャントが場に出ると対処しづらいのが難点。
赤:正面突破はお手の物、すべてを焼き払って押しとおれ
分かりやすくダメージを与えることに長けている色。除去をするのも基本的にダメージ与えてナンボの世界。道具(アーティファクト)をぶっ壊すことも得意。
小さいところからスレイヤーが喜びそうなゴブリン(数がわらわら並びやすい)、大きいところではドラゴンが特徴的なカード。
今まではとにかく手札が尽きやすい色だったが、近年山札を表向きにめくって、それを猶予期間中に使えるというカードが増えた。手札じゃないところを手札にするという点では割と面白いところ。
緑:そのでかさ、化け物クラス
クリーチャーのサイズがとにかくでかい。特に少し重いところから重量級が顕著で、5マナ10/10とかいう分かりやすいカードや、最小2マナ12/12という何かを間違えたようなカードが出たりした。
他方、そんなデカブツが空を飛べるわけがなく、飛行クリーチャーは極端に少ない。代わりにそれらをブロックできる到達能力が特徴的なところ。
パワーを上げて物理で殴るというのは呪文にも表れており、それらをサイズアップしてほぼ一撃必殺を決めてしまうようなもの、小物を押しつぶす格闘除去などなど。
不自然なものがお嫌いなようで、戦場に残り続けるまじない(エンチャント)や明らかな人工物(アーティファクト)は自然に帰せる。
単色の説明はここまで。
初心者講習会にでると、このあたりの説明を受けることもできるので、リアル触り始めるならマジでおススメである。
色の組み合わせそのものは26通りにも及ぶが、その中でもよく俗称で呼ばれるのは2色と3色の組み合わせ。
これらを特徴とともに説明する。
尚、ウィザーズはこれらを刷新したいのかいろいろ出してきているが、当分かわることはないと思われる。
(3色の組み合わせに当たるアラーラの断片は最終的に衝合してひとつになり、タルキールの氏族はタイムパラドックスの結果過去の産物に。2色の組み合わせとして長く呼ばれ続けたギルドも現在ほぼ崩壊状態。つまり全部過去の遺物と化しているのに呼ばれているため)
2色の組みあわせ/ラヴニカのギルドに合わせた呼称
青白/アゾリウス:基本は大振り、しかし耐久力はピカイチ
盤面リセットとクリーチャーの白、手札優位と呪文対処に長けた青という組み合わせ。
基本は呪文対処で対応しつつ、すり抜けてしまったものをドカンと一発消していくスタイルのことが多い。そのため、序盤にクリーチャーが出ないことも。
他方、重めのカードが登場してしまうと今度はそれを守り切って勝つスタイルに切り替わる。
共通して見かけるクリーチャータイプにスピリットがおり、これを使った軽量ビートダウンなどもあったりする。この色の組み合わせは基本クリーチャーが飛んでいるので厄介。
青黒/ディミーア:相手の場には何も出てこない、実は山札関連に長けている
呪文対処の青、手札や山札を対処する黒の組み合わせは、うまくいくと相手の戦場に何も降り立つことがない。
降ってきても黒いカードで除去するため、やはり何も残らないことも。
他方、実はどちらも山札を操作したり削り落としたりすることには非常に長けており、時折ライブラリアウトデッキが出てくるとたいていこの色。
黒赤/ラクドス:除去して殴りぬける、近年は生け贄にもシナジーが
真っ直ぐに殴り抜けるクリーチャー群を黒や赤お得意の除去でサポートしていく構成が多い。最後の数点を火力で締めることもできるため、そのあたりも油断のならない色の組み合わせ。
昨今は生け贄に捧げると何かが起こったりするカードも増え、そのあたりを利用したトリッキーさもウリにしている。
赤緑/グルール:え、殴れば勝ちでしょ?
パワーの高い赤、基本的なサイズがおかしい緑。この組み合わせがビートダウン以外になることはほぼない。
手札の消費が激しいというデメリットを、短いターン数で勝つというメリットで消してくる。
赤と緑の共通点として、青を目の敵にしたような「打ち消されない」能力があったりするのも特徴。
緑白/セレズニア:小さなものから大きなものまで
ウィニーと呼ばれる小型が得意な白、そもそもクリーチャーの色である緑の組み合わせは当然のごとく横並べ戦略が特徴的。ただし、1枚ずつでは横並べが出来ないため、一気にトークンを並べることも多い。
また、それらを永続的な強化で縦方向へ強くしていくことも得意とする。最初は小さかった連中が気が付けば大きいこともザラ。
白黒/オルゾフ:ライフは飲み物。お前の血は俺のもの
ライフを回復する白と、消費したりさせたりする黒の組み合わせは、いわゆる「ドレイン」が多い。
また、エンチャントやアーティファクトを正義のために破壊する白、クリーチャーをその残虐性で消し飛ばす黒の組み合わせなので、戦場にある札のほぼすべてに対処ができることも特徴。
青赤/イゼット:呪文イズパワー。いなして火力をぶつけろ
お互いにソーサリーやインスタントが得意な色であるため、クリーチャーもそれに関連する能力が多い色の組み合わせ。
青い打ち消しや赤い火力で盤面をコントロールし、大振りのフィニッシャーで勝ちを決めに行くスタイルがほぼ基本のスタイルで決まってきている。
実はこの二色、コンボが発見されると手が付けられないことが多い。
黒緑/ゴルガリ:WANTED DEAD OR ALIVE
生死にかかわり、墓地を回収するというアクションに優位性のある二つの組み合わせのため、とにかく墓地をリソース転換することが得意。
実は赤緑よりも対処できる札の範囲が広く、制限があるもののなんでも壊せるカード、というのも存在する。
墓地に落とすことがドローの代わりになるという観点から、ドローが抑え気味になることもある。
赤白/ボロス:おぼえめでたし正義の色。攻め込んでライフで差をつけろ
ダメージの赤と回復の白は、組み合わせるとなぜかドレインになるという特徴がある。そのため、殴り込みに行くクリーチャーに絆魂を持たせるカードがあったり、火力で回復したりすることもある。
一方、攻撃的な赤と防御的な白という役割分担もできる。火力呪文兼全体破壊不能や、赤い攻撃的クリーチャーを白の永続強化で守ったりなどがある。
緑青/シミック:ウィザーズ最大の迷走、ちょっと何を言っているかわからない
インスタントのトリッキーさ最強の青、クリーチャー最強の青が組み合わさるとどうなるか。クリーチャーがインスタントやソーサリーのような動きをしてきたり、その逆があったりと、もうしっちゃかめっちゃか。
どうもウィザーズは可変サイズに居場所を見つけたいようだが、そうはならんやろというカードがそこかしこに現れるのもこの色。
弧三色/アラーラの断片カラー
白緑青/バント:青混じりなのに攻撃的
白を中心色に据えた友好三色は、基本挙動が緑白で、それをサポートする青、という挙動に近くなる。
他方、青白のスピリットデッキのように、緑の強烈な踏み倒しを使っていくスタイルも人気がある。
どちらにせよ、このカラーリングを使用すると軽量ビートダウンに寄っていくのが近年のスタイル。
青白黒/エスパー:攻撃なぞさせるものか、強烈なコントロールカラー
青中心に組まれた友好三色は当然のごとく呪文色。インスタントや全体除去ソーサリーなどで、少ないフィニッシャーカードを守り抜く。
青黒の項で語った通り、とにかく戦場に出させないプレイが得意でありながら、出たものですら白い全体除去が吹き飛ばしていくため、ひとかどの油断すら禁物という色の組み合わせ。
黒青赤/グリクシス:ボード・コントロールは得意分野。残虐さで勝利をつかめ
黒の残虐性を象徴するかのように、青のインスタントが相手の呪文をあざ笑うかのように打ち消し、それをかいくぐると赤い地獄の炎で消され、耐えきろうとすると黒の破壊に巻き込まれるという、三段構えの除去スタイル。
そんなスタイルで相手を疲弊させてから赤や黒の大型フィニッシャーが喉首をとりに行く、というのが基本。
赤黒緑/ジャンド:パワーを押し通せ、弱肉強食とはこのことだ
赤緑の強烈な攻撃性に黒の破壊的な挙動を加えることで、突破力がかなり上がる。
攻め気に関しては1・2を争うほどの色だが、それは赤緑ではなし得なかった「効果を発揮する前段階で無効化する」手段を手に入れていることが大きい。
緑赤白/ナヤ:サイズはピカイチ。その愚直さで走り抜けろ
緑中心のナヤはクリーチャーとクリーチャーとクリーチャーの色。小型も大型もなんでもござれ。
ただ、不器用かというとそうではなく、ほぼすべてのパーマネントに触れることが出来る特徴もある。
ただし、インスタントやソーサリーには圧倒的なまでに対処手段を持たないため、その弱点をいかに補うか、というのも腕の見せ所。
楔三色/タルキールの氏族
白黒赤/マルドゥ:レッツダッシュ、速度ピカイチの殴り倒し色
小型のクリーチャーが得意な白、火力で押し込みに行ける赤、そしてそれだけの殴り抜けを除去でサポートできる黒の組み合わせ。
何かをされても防御的に動ける白があるため、実は攻守のバランスが割ととれている。
青赤緑/ティムール:ミッドレンジマスターの色
盤面や呪文のコントロールに長けた赤と青、クリーチャーの軸が強い緑と、バランスの整い方はピカイチだが、その分ターンやマナの管理などの部分で繊細な動きが求められることも。
見方を変えればマナ加速の得意な緑、大火力の赤、そしてそれをサポートする青ととらえることもでき、これを利用したコンボデッキもあった。
黒白緑/アブザン:一撃がずしりと響く、大きなタフネスで差をつけろ
殴ってよし、守ってよしなクリーチャーを擁する緑と白に、搦め手の黒が加わった。
手札が増えないという弱点を補いつつも除去で突破したり、あらゆる領域に触れていけるため、単なる補色に収まっていない。その分構築で頭を悩ませることも。
赤青白/ジェスカイ:カンフー軍団と侮るなかれ、果敢に攻め込め
元祖果敢カラー(今は青と赤)。つまり、クリーチャーをその他呪文でバックアップするということに長けている。
また、全体火力や全体除去も得意分野であり、相手のクリーチャー以外の呪文は青の打ち消しで、通ったものも更地にしてから悠々と殴りだすといったコントロール能力もピカイチ。
緑青黒/スゥルタイ:単体なら任せろ、最強のボードコントローラー
青の打ち消しに黒の除去、そしてクリーチャーの緑。1on1での対処はかなり強い色と言える。
また、この色のどれもがドローに強く、ずっと手札を枯らすことなく戦い続けるという特徴もある。
生け贄を要求する黒に対しクリーチャー色の緑が噛み合うこともあり、そういった墓地コンボ系のデッキが生まれることも。
※これは個人的な感想によるところが大きいので、違うことも多々あることをご了承いただきたい。
基本的に単色の解説は初心者講習会で受けることが出来るのだが、これらを組み合わせてどうなるか、というところは一歩踏み込んだ内容なのか、公式で教えることはほとんど見られない。一助となれば幸いである。
まあ、自分のタイムラインに流れてくるものが多いだけなのかもしれないけれど、ならば、そういう人向けに多少なりともやっている側の還元みたいなものって自分に何ができるだろう、ということで。
①は色の特徴とその組み合わせについて書いてみる。
というのも、ルールの大まかなことは昨今アリーナや初心者体験会で学ぶことが出来るので、別にここで語る必要はなく、少し踏み込んだところを見ていった方がいいんじゃなかろうか、ということだ。
白:軽いものが重視される
クリーチャーも軽めのところが攻め込みやすくデザインされている傾向が強い。1マナ2/1や2マナ3/1は代表的なところ。そんな軽い奴らを並べて並べて軍勢で押しつぶす、というのがよく環境にいる「白単」スタイル。
重いものがないかというとそうでもなく、公平性を保つ全体除去呪文や、白マナの体現者である天使は4~5マナくらいのところに設定されていることが多い。
これらは前者の軽いところで膠着した盤面をやり直したり、あるいは天使の翼で悠々と上から殴り切るような役割。
単体の除去に関してはそこそこ器用。エンチャントやインスタントで追放していくことが多いのも特徴だが、一時的追放になることもままあるため、そのあたりの注意が必要。
青:ザ・トリックスター
インスタントやソーサリーに偏りがちだが、とにかく器用。カードを引く、盤面から戻す、打ち消すなどなど。特に呪文段階で反応することが出来るのは青が一番長けている。これは戦場に出ないというアドバンテージがある。
他方、小型~中型のクリーチャーはお世辞にも強くないことが多い。ことが多い、と書いたのは、1マナ3/2飛行(になりうる)とか、ちょっとクリーチャーの色をバカにしたようなスペックのヤツが時折現れるため。
そんな小粒軍団でも、飛行していたりブロックされなかったりと、これまたトリッキーに殴り合うことが出来なくはない。
戦場に出た札を戻すことは出来ても、完全に除去するアクションはかなり苦手。
黒:山札も、手札も、墓地も、自分も、すべてが勝利のために
青に負けず劣らずの器用さだが、そのためのコストに山札を要求する、ライフを要求するなどが当たり前の色でもある。
呪文段階になる前の手札で札を対処できることも大きな特徴で、つまり戦場に出ない状態を作ることもできる。
そして墓地から帰ってくるという黒独特のやり取りも特徴的。山札を自分で削り、呪文で重いクリーチャーを一本釣り、なんてこともできる。
軽いクリーチャー群にも数が並んでザ・デッドになるゾンビなどがいる。
クリーチャー除去が大得意だが、アーティファクトやエンチャントが場に出ると対処しづらいのが難点。
赤:正面突破はお手の物、すべてを焼き払って押しとおれ
分かりやすくダメージを与えることに長けている色。除去をするのも基本的にダメージ与えてナンボの世界。道具(アーティファクト)をぶっ壊すことも得意。
小さいところからスレイヤーが喜びそうなゴブリン(数がわらわら並びやすい)、大きいところではドラゴンが特徴的なカード。
今まではとにかく手札が尽きやすい色だったが、近年山札を表向きにめくって、それを猶予期間中に使えるというカードが増えた。手札じゃないところを手札にするという点では割と面白いところ。
緑:そのでかさ、化け物クラス
クリーチャーのサイズがとにかくでかい。特に少し重いところから重量級が顕著で、5マナ10/10とかいう分かりやすいカードや、最小2マナ12/12という何かを間違えたようなカードが出たりした。
他方、そんなデカブツが空を飛べるわけがなく、飛行クリーチャーは極端に少ない。代わりにそれらをブロックできる到達能力が特徴的なところ。
パワーを上げて物理で殴るというのは呪文にも表れており、それらをサイズアップしてほぼ一撃必殺を決めてしまうようなもの、小物を押しつぶす格闘除去などなど。
不自然なものがお嫌いなようで、戦場に残り続けるまじない(エンチャント)や明らかな人工物(アーティファクト)は自然に帰せる。
単色の説明はここまで。
初心者講習会にでると、このあたりの説明を受けることもできるので、リアル触り始めるならマジでおススメである。
色の組み合わせそのものは26通りにも及ぶが、その中でもよく俗称で呼ばれるのは2色と3色の組み合わせ。
これらを特徴とともに説明する。
尚、ウィザーズはこれらを刷新したいのかいろいろ出してきているが、当分かわることはないと思われる。
(3色の組み合わせに当たるアラーラの断片は最終的に衝合してひとつになり、タルキールの氏族はタイムパラドックスの結果過去の産物に。2色の組み合わせとして長く呼ばれ続けたギルドも現在ほぼ崩壊状態。つまり全部過去の遺物と化しているのに呼ばれているため)
2色の組みあわせ/ラヴニカのギルドに合わせた呼称
青白/アゾリウス:基本は大振り、しかし耐久力はピカイチ
盤面リセットとクリーチャーの白、手札優位と呪文対処に長けた青という組み合わせ。
基本は呪文対処で対応しつつ、すり抜けてしまったものをドカンと一発消していくスタイルのことが多い。そのため、序盤にクリーチャーが出ないことも。
他方、重めのカードが登場してしまうと今度はそれを守り切って勝つスタイルに切り替わる。
共通して見かけるクリーチャータイプにスピリットがおり、これを使った軽量ビートダウンなどもあったりする。この色の組み合わせは基本クリーチャーが飛んでいるので厄介。
青黒/ディミーア:相手の場には何も出てこない、実は山札関連に長けている
呪文対処の青、手札や山札を対処する黒の組み合わせは、うまくいくと相手の戦場に何も降り立つことがない。
降ってきても黒いカードで除去するため、やはり何も残らないことも。
他方、実はどちらも山札を操作したり削り落としたりすることには非常に長けており、時折ライブラリアウトデッキが出てくるとたいていこの色。
黒赤/ラクドス:除去して殴りぬける、近年は生け贄にもシナジーが
真っ直ぐに殴り抜けるクリーチャー群を黒や赤お得意の除去でサポートしていく構成が多い。最後の数点を火力で締めることもできるため、そのあたりも油断のならない色の組み合わせ。
昨今は生け贄に捧げると何かが起こったりするカードも増え、そのあたりを利用したトリッキーさもウリにしている。
赤緑/グルール:え、殴れば勝ちでしょ?
パワーの高い赤、基本的なサイズがおかしい緑。この組み合わせがビートダウン以外になることはほぼない。
手札の消費が激しいというデメリットを、短いターン数で勝つというメリットで消してくる。
赤と緑の共通点として、青を目の敵にしたような「打ち消されない」能力があったりするのも特徴。
緑白/セレズニア:小さなものから大きなものまで
ウィニーと呼ばれる小型が得意な白、そもそもクリーチャーの色である緑の組み合わせは当然のごとく横並べ戦略が特徴的。ただし、1枚ずつでは横並べが出来ないため、一気にトークンを並べることも多い。
また、それらを永続的な強化で縦方向へ強くしていくことも得意とする。最初は小さかった連中が気が付けば大きいこともザラ。
白黒/オルゾフ:ライフは飲み物。お前の血は俺のもの
ライフを回復する白と、消費したりさせたりする黒の組み合わせは、いわゆる「ドレイン」が多い。
また、エンチャントやアーティファクトを正義のために破壊する白、クリーチャーをその残虐性で消し飛ばす黒の組み合わせなので、戦場にある札のほぼすべてに対処ができることも特徴。
青赤/イゼット:呪文イズパワー。いなして火力をぶつけろ
お互いにソーサリーやインスタントが得意な色であるため、クリーチャーもそれに関連する能力が多い色の組み合わせ。
青い打ち消しや赤い火力で盤面をコントロールし、大振りのフィニッシャーで勝ちを決めに行くスタイルがほぼ基本のスタイルで決まってきている。
実はこの二色、コンボが発見されると手が付けられないことが多い。
黒緑/ゴルガリ:WANTED DEAD OR ALIVE
生死にかかわり、墓地を回収するというアクションに優位性のある二つの組み合わせのため、とにかく墓地をリソース転換することが得意。
実は赤緑よりも対処できる札の範囲が広く、制限があるもののなんでも壊せるカード、というのも存在する。
墓地に落とすことがドローの代わりになるという観点から、ドローが抑え気味になることもある。
赤白/ボロス:おぼえめでたし正義の色。攻め込んでライフで差をつけろ
ダメージの赤と回復の白は、組み合わせるとなぜかドレインになるという特徴がある。そのため、殴り込みに行くクリーチャーに絆魂を持たせるカードがあったり、火力で回復したりすることもある。
一方、攻撃的な赤と防御的な白という役割分担もできる。火力呪文兼全体破壊不能や、赤い攻撃的クリーチャーを白の永続強化で守ったりなどがある。
緑青/シミック:ウィザーズ最大の迷走、ちょっと何を言っているかわからない
インスタントのトリッキーさ最強の青、クリーチャー最強の青が組み合わさるとどうなるか。クリーチャーがインスタントやソーサリーのような動きをしてきたり、その逆があったりと、もうしっちゃかめっちゃか。
どうもウィザーズは可変サイズに居場所を見つけたいようだが、そうはならんやろというカードがそこかしこに現れるのもこの色。
弧三色/アラーラの断片カラー
白緑青/バント:青混じりなのに攻撃的
白を中心色に据えた友好三色は、基本挙動が緑白で、それをサポートする青、という挙動に近くなる。
他方、青白のスピリットデッキのように、緑の強烈な踏み倒しを使っていくスタイルも人気がある。
どちらにせよ、このカラーリングを使用すると軽量ビートダウンに寄っていくのが近年のスタイル。
青白黒/エスパー:攻撃なぞさせるものか、強烈なコントロールカラー
青中心に組まれた友好三色は当然のごとく呪文色。インスタントや全体除去ソーサリーなどで、少ないフィニッシャーカードを守り抜く。
青黒の項で語った通り、とにかく戦場に出させないプレイが得意でありながら、出たものですら白い全体除去が吹き飛ばしていくため、ひとかどの油断すら禁物という色の組み合わせ。
黒青赤/グリクシス:ボード・コントロールは得意分野。残虐さで勝利をつかめ
黒の残虐性を象徴するかのように、青のインスタントが相手の呪文をあざ笑うかのように打ち消し、それをかいくぐると赤い地獄の炎で消され、耐えきろうとすると黒の破壊に巻き込まれるという、三段構えの除去スタイル。
そんなスタイルで相手を疲弊させてから赤や黒の大型フィニッシャーが喉首をとりに行く、というのが基本。
赤黒緑/ジャンド:パワーを押し通せ、弱肉強食とはこのことだ
赤緑の強烈な攻撃性に黒の破壊的な挙動を加えることで、突破力がかなり上がる。
攻め気に関しては1・2を争うほどの色だが、それは赤緑ではなし得なかった「効果を発揮する前段階で無効化する」手段を手に入れていることが大きい。
緑赤白/ナヤ:サイズはピカイチ。その愚直さで走り抜けろ
緑中心のナヤはクリーチャーとクリーチャーとクリーチャーの色。小型も大型もなんでもござれ。
ただ、不器用かというとそうではなく、ほぼすべてのパーマネントに触れることが出来る特徴もある。
ただし、インスタントやソーサリーには圧倒的なまでに対処手段を持たないため、その弱点をいかに補うか、というのも腕の見せ所。
楔三色/タルキールの氏族
白黒赤/マルドゥ:レッツダッシュ、速度ピカイチの殴り倒し色
小型のクリーチャーが得意な白、火力で押し込みに行ける赤、そしてそれだけの殴り抜けを除去でサポートできる黒の組み合わせ。
何かをされても防御的に動ける白があるため、実は攻守のバランスが割ととれている。
青赤緑/ティムール:ミッドレンジマスターの色
盤面や呪文のコントロールに長けた赤と青、クリーチャーの軸が強い緑と、バランスの整い方はピカイチだが、その分ターンやマナの管理などの部分で繊細な動きが求められることも。
見方を変えればマナ加速の得意な緑、大火力の赤、そしてそれをサポートする青ととらえることもでき、これを利用したコンボデッキもあった。
黒白緑/アブザン:一撃がずしりと響く、大きなタフネスで差をつけろ
殴ってよし、守ってよしなクリーチャーを擁する緑と白に、搦め手の黒が加わった。
手札が増えないという弱点を補いつつも除去で突破したり、あらゆる領域に触れていけるため、単なる補色に収まっていない。その分構築で頭を悩ませることも。
赤青白/ジェスカイ:カンフー軍団と侮るなかれ、果敢に攻め込め
元祖果敢カラー(今は青と赤)。つまり、クリーチャーをその他呪文でバックアップするということに長けている。
また、全体火力や全体除去も得意分野であり、相手のクリーチャー以外の呪文は青の打ち消しで、通ったものも更地にしてから悠々と殴りだすといったコントロール能力もピカイチ。
緑青黒/スゥルタイ:単体なら任せろ、最強のボードコントローラー
青の打ち消しに黒の除去、そしてクリーチャーの緑。1on1での対処はかなり強い色と言える。
また、この色のどれもがドローに強く、ずっと手札を枯らすことなく戦い続けるという特徴もある。
生け贄を要求する黒に対しクリーチャー色の緑が噛み合うこともあり、そういった墓地コンボ系のデッキが生まれることも。
※これは個人的な感想によるところが大きいので、違うことも多々あることをご了承いただきたい。
基本的に単色の解説は初心者講習会で受けることが出来るのだが、これらを組み合わせてどうなるか、というところは一歩踏み込んだ内容なのか、公式で教えることはほとんど見られない。一助となれば幸いである。
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